CASE5 昔っからこれに頼っている

87歳女性

#高血圧

「夫が亡くなってからは自宅での独居生活に不安を覚え、施設に入居している

元々、神経質な性格

対人関係でトラブルになることが多く、限られた友人や家族としか交流を持たないタイプであった

高血圧で通院していた内科クリニックで、不眠や不安について相談するとエチゾラムが処方されていたが、施設入居後、徐々に常用するようになった

認知機能障害の進行やふらつきが見られるようになり、時に施設スタッフに対して横柄な口調がみられるようになり、精神科にコンサルト

エチゾラム常用によるふらつき、「脱抑制」を疑い、説明するも、これだけはやめられないと譲らない

他に認知機能障害をきたしにくく、不安を軽減できる薬があると提案し、セルトラリンを開始

不安感の軽減とともに、日中の眠気が出現し、エチゾラムの減量および定期内服から頓用への切り替えに移行し、最終的にエチゾラムを中止することができた

改めて、認知機能を評価すると長谷川式認知症スケール 28/30と年齢に比して保たれており、エチゾラムによる影響も考えられた

時折、エチゾラムを飲みたいということもあるが、訪問看護の介入を導入したことで、話し相手ができ、穏やかに過ごしている」

性格背景的に不安神経症をお持ちであった方が、環境変化に伴う不安の高まりを生じ、ベンゾジアゼピンが開始されていました

頻回に使用することで耐性を生じ、常用するなど依存形成してしまったパターンです

「ちょっとボケた」「性格が変わった」の背景や、ふらつきから転倒・骨折の高齢者にベンゾジアゼピンが漫然と投与されていることは少なくありません

高齢者だからって神経症やうつ病がない訳ではなく、SSRIが有効なケースは多々あります

また、薬物に頼らず、精神科訪問看護の制度を利用して非薬物的なアプローチを行うことも治療選択にあがります