CASE7 高齢者の不眠の落とし穴

87歳女性

#高血圧#圧迫骨折後#骨粗鬆症

「高血圧で長期通院、圧迫骨折後のADL低下に伴い、リハビリ病院より施設入居

環境変化も相まってか、連日の不眠から昼夜逆転傾向がみられ、内科よりブロチゾラムやエスタゾラムの処方を受けるも、効果不十分であったり、日中への持ち越しから精神科コンサルト

年齢に比して、認知機能は保たれており、抑うつ・不安症状などはなく、内服への理解も十分であった

不眠症として、レンボレキサント2.5mgを開始したところ、入眠はできるものの睡眠の維持はできず、午前3時に覚醒するとのこと5→7.5と増量したが、睡眠時間は変わらなかった

そのため、レンボレキサントをスボレキサント15mgに変更したところ、比較的朝方まで寝られる日が増えた

デイサービスへの通常や日中のレクレーションへの参加を促し、車椅子移乗などを促したところ、夜間良眠が得られるようになった」

旅行に行ったり、引っ越した直後って寝られなくなる人いますよね

施設入居って本人や家族にとっては大きな環境変化で、特に高齢者には人生初めての引越しなんてことも少なくありません

睡眠薬の選択として高齢者にはいくつかのパターンがあります

一般常識的にベンゾジアゼピン系は避けること(長期漫然服用の方は、やむを得ず使うこともしばしばですが)

用量設定は少なめから使う前提で、レンボレキサントやスボレキサントがお勧めです

認知機能低下に伴って、時間認識が落ちてきている人はラメルテオンを使用、ラメルテオンでは入眠が十分でない場合はエスゾピクロン1mgやトラゾドン25mgなどを併用します

脳梗塞後などで、怒りっぽい人にはチアプリドやクエチアピン、時にバルプロ酸なんかを使うこともあります

高齢者には、睡眠薬が嫌っていう方も少なくないため、抑肝散(抑肝散加陳皮半夏)、酸棗仁湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、黄連解毒湯などなど、漢方薬を使うこともあります

高齢者の不眠はかなりパターンが多いので、このコラムで度々掲載することとなると思いますので是非参考にしてみてください