CASE8 食事が進まない時は②

95歳女性

#大腸癌術後#高血圧#脂質異常症

「介護していた娘が入退院繰り返すようになり、自宅での生活が困難となり、施設に入居

認知機能低下はあるものの、目立った周辺症状はなく経過していたが、軽度の肺炎を発症してから食欲が低下。内科より栄養剤の処方がなされしばらく服用していたものの、摂取量は回復せず、精神科コンサルト

ニセルゴリン5mg2錠朝夕で開始したところ、一定に活気が戻り、栄養剤と食事もわずかには飲めるようになった

しかしながら経過中再び食事量が低下したため、スルピリド50mg1錠分2朝夕で開始したところ、活気が上がり、嚥下訓練も併用し、食事量を肺炎前と同じ水準まで戻すことができた」

高齢者の食事低下は、年齢によるものや、骨折などの疼痛、肺炎など身体疾患に伴い、引き起こされることが多いとされます

年齢変化の場合はある程度仕方のない面もありますが、そのほかの侵襲で引き起こされた場合は何とか持ち直したいところです

幸い嚥下機能の大きな問題がなく、内服薬の服用が可能なケースであったため、貼付製剤でなく、内服で色々試しながら食事量を観察できたのは幸いでした

このケースのように、高血圧・糖尿病・脂質異常症な基礎疾患としてある場合、脳梗塞など血管要素を考慮して、ニセルゴリンやコリンエステラーゼ阻害薬などが候補にあがります

それでも効果のない場合は、食欲増進作用のある向精神薬も候補にあげます

鎮静に注意しながら、クエチアピンなどの抗精神病薬や、ミルタザピンなどの抗うつ薬、また、スルピリドを少量で(錐体外路症状に注意!)用いると効果がみられることがあります

嚥下機能に問題のあるケースでは、人参養栄湯や補中益気湯などの漢方も考慮できます

このケースでは使いませんでしたが、担癌患者の場合、緩和ケア領域で使うようなステロイドを短期決戦で投与すると、食欲と共に活気が上がることもあります

食欲低下への介入依頼は非常に多いので、度々紹介することとなりますが、ぜひ参考にしてみて下さい